【副業情報】銀行のトレーディング収入、リスク圧縮で取引規模縮小

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スーザン・エステス氏はニューヨークでドイツ銀行の債券デスクを統括していたほぼ20年前、40億ドル(約4400億円)規模の米国債スプレッド取引の注文を顧客から電話で受けたものだった。

当時から、多くのことが変わった。

取引はもはや電話を必要とせず、かつてないほど高速に実行される。

米国債市場は当時の4倍の大きさになった。

一方、銀行はその規模のリスクを引き受けたがらなくなった。

エステス氏が40億ドルの取引で請求したのと同じ手数率では、今日の顧客は2億5000万ドルの取引しかできないだろうと同氏は言う。

 「16分の1の取引しかできなくなったというのは驚くべきだ」と、モルガン・スタンレーとドイツ銀のトレーディング幹部だったエステス氏は述べた。

同氏は現在、米国債取引システムを運営するオープンドア・セキュリティーズの最高経営責任者(CEO)を務めている。

もちろん、取引の規模が小さくなれば収入も減る。

40億ドルの取引で125万ドルが得られたとして、同じ手数料率で2億5000万ドルの取引なら7万8000ドル強の収入にしかならない。

この例は、低リスク、低収入、より少ない人員というウォール街の新しい現実を示している。

投資銀行のトレーディングデスクは金融危機後、経済の他のほぼどの分野よりも迅速に回復したが、以降の新規則によってトレーダーが活用できる資金の額は小さくなった。

規制当局は監視を怠らず管理職は損失回避に躍起となる中で、大きなリスクを取るトレーダーは自身がリスクにさらされている。

危機から10年以上がたち、最新技術と厳格な資本規則の時代へと移行が進む市場は、ウォール街最大のビジネスを恒久的な衰退へと追い込みつつある。

2019年もトレーディング収入は減少し、最低を更新する見込み。

減収は過去7年で6回目となる。

分析会社コーリションのデータによると、世界の大手投資銀行12社のトレーディング収入は2010-18年の間に390億ドル減少した。

今年の分を加えると、減収幅はゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースの2社が消えたのにほぼ相当する。

伝統的なプレーヤーから新規参入組まで多くが債券市場に狙いを定めて競り合うが、債券こそが減収の最大の要因だ。

債券市場は動きが速く、電子化され、マージンの低い株式の世界に似たものになりつつある。

トレーディング収入が低迷した最初の数年間は、これが一時的か、恒久的かが議論されたが、今ではどこまで落ち込むかが問いかけられている。

大手12社のトレーディング収入は今年1-9月に5%余り減少した。

JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは9月に、取引の量は増え続けるだろうが、収入が増えるとは限らないと語った。

「現時点で、勝敗を決するのは優秀なトレーダーを擁しているかどうかというよりテクノロジーだ」と同氏は指摘。

「取引の量は増えていくだろうが、一部の取引マージンは低下するだろう。それがどのように釣り合うのか、私には分からない」と語った。

※引用元:「Bloomberg」

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